ブロックチェーンを活用して「無農薬栽培」を証明|有機農業発祥地

宮崎県綾町はブロックチェーンの技術を活用した有機農法での野菜作りに取り組んでおり、画期的な方法でデータ管理が行われています。この町の農家の方々は、オーガニック農法に「QRコード」や「分散型台帳技術」といった、従来の農業とは少し違った形の最新テクノロジーを多数導入しています。

有機農法での野菜作りに取り組んでいる「宮崎県綾町」で生産される野菜には、それぞれに専用の「QRコード」が割り当てられています。このコードをスマートフォンで読み込むとスマホの画面にはそれぞれの野菜に関する、

・収穫日
・畑の土壌の検査結果
・使用した肥料
・種の購入先
・生産者名
・農場の場所

などの情報が写真つきで、絵日記のように表示されます。

スマートフォンで確認できる生産プロセスの画面イメージ

綾町は電通国際情報サービス(ISID)と協力して2016年の10月からこの実験を行っており、化学肥料や農薬を使用しない自然の生態系に配慮した農業に町をあげて取り組んでいます。

無農薬農業を行うためには厳しい生産管理が必要であり、そのためには膨大な量の情報を適切に管理する必要がありますが、綾町の農家の方々はISIDと共にブロックチェーン技術を活用することによってこれらの問題をクリアにしています。

このプロジェクトで生産された野菜は、どこでどのような方法で誰によって育てられたのか?そしてどのような過程をたどって運ばれてきたのか?といった、あらゆる情報を簡単に確認することができます。もちろんそれらの情報はブロックチェーン上で管理されているため、偽装されていないかどうかを心配する必要もなくなり、消費者に対しても自信をもって野菜の品質を証明することができます。

有機農法で農業を営む農家の方々は、安全で安心できる高品質の野菜を育てるために、多大なる労力とコストを費やしています。しかしそれらの努力は従来の市場では理解してもらえないことも多く、『無農薬栽培である』ということをきちんと証明することが難しいという問題も抱えていました。

NFCタグ付QRコードが付与され、 一つひとつ個包装されている綾町産野菜

その結果、必死の努力もむなしく野菜の販売価格が品質に伴っていない場合も多かったため、従来の環境はオーガニック農法に取り組んでいる農家の方々にとって苦しい環境でもありました。

しかしブロックチェーン上で野菜の情報を管理することによって、そのような現状を大きく変化させることができます。品質を保証するためのあらゆる情報は安全かつ低コストな方法でデジタル化され、はるかに合理的な方法で消費者に対する品質の証明までも可能にします。

オーガニック農法で育てられた野菜が適切に評価されづらい一方で、『本物の無農薬野菜』を求めている人が多いのも確かです。しかしそのような人々の多くは、「野菜の品質を確認するのは難しい」と感じており、両者の間には見えない壁が存在していました。ブロックチェーンを活用した『品質保証』は、その両者を適切に繋ぐための重要なカギとなります。

綾町の革新的な挑戦が世の中で広く認知されて、実際に認められることができれば、農業の分野にも圃場に大きな革命が起きることになるでしょう。農薬の危険性に対する指摘が世界中で行われている今、綾町の農家の方々の挑戦は今後の農業の将来を担う一大プロジェクトといっても過言ではないでしょう。