ブロックチェーンで「保護者のいない子供たち」の情報管理:米国保健社会福祉省

米国保健社会福祉省(HHS)は、政府によって保護された「保護者のいない子供たち」の情報を管理するためにブロックチェーン技術を活用するテストに取り組んでいると伝えられています。

子供たちの情報管理に「分散型台帳技術」

ブロックチェーン技術は近年さまざまな分野で活用されており、金融取引や物流のほか、食品の追跡などにも利用されています。2019年3月21日に「MeriTalk」が公開した記事では、米国保健社会福祉省(HHS)がこの技術を「保護者のいない子供たち」の情報を管理するために活用するための取り組みを行なっていると報じられています。

米国保健社会福祉省(HHS)のKenneth Thomson(ケネス・トムソン)氏は、認可型(パーミッション型)の分散型台帳技術(DLT)を使用すれば様々な施設で保護されている子供たちの情報を追跡することができると説明しています。

トムソン氏はHHSがテストしているブロックチェーンプラットフォームについて、契約期間を経てHHSに引き渡された子供たちの「教育/医療/家族との連絡」といった子供たちに起こった全ての情報が常に記録され、正確な情報であるかどうかを確認したのちに連邦捜査局(FBI)に送信されると説明しています。

しかし同氏は、このように様々な情報を複数の組織が扱う場合には、「それらのデータをどのように扱うかを指示するためのルールが必要である」とも語っており、そのために適したブロックチェーンを構築することが重要であることを強調しています。

今回のケースにおけるHHSのような組織が存在している場合には、教育、健康状態、犯罪歴、家族歴などの異なる情報を扱う様々な機関が存在するため、これらすべての情報を適切に扱い、正しい形式で要約するための分散型アプリケーションを構築する必要があります。

許可型ブロックチェーンで「安全にデータ管理」

許可型(パーミッション型)のブロックチェーン技術は「サトシ・ナカモトのビジョンに反する」との意見も出ていますが、トムソン氏は政府機関で”許可のないブロックチェーン”を使用するのは目的に合わないと警告しています。

報道によると、HHSが世界中の様々な企業が活用している「Hyperledger Fabric」のブロックチェーンプラットフォームを採用していると伝えられています。このブロックチェーンネットワークは「許可型」となっているため、HHSのブロックチェーンに記録されている重要なデータには信頼できる個人だけがアクセスできるようになっています。

これによって、子供たちの情報が漏えいするのを防ぐことができます。トムソン氏は、将来的にはこのシステムを他の機関とも共有し、低コストで気軽に利用できるものにしたいと語っています。しかしトムソン氏は「これらのプログラムはまだテスト段階にある」とも語っており、このシステムを稼働する正式な時期を公表していません。